次は梅毒、エイズについてです。
梅毒はペニシリンという抗生物質の発明で、かなり減少していましたが、最近また少しずつ増加しています。エイズはまだ完治する治療法がないため、死に至る感染症として世界的には問題にされていますが、まだまだ日本では身近な病気として捕らえている人は少ないと思われます。しかし日本でも年々着実に感染者および死亡者は増加してきており、感染者は2004年度には1万人を越えました。感染の兆候としては感染1週間後で軽い風邪症状があるかまたは無症状に経過し、2週間くらいで初めて血液検査で陽性となるくらいのウイルス量になります。ですから感染してからどんなに心配でも3-4週してから検査を受けないと、間違った結果が出ることがあります。
梅毒も同様に感染後血液検査で陽性になるまで3-4週かかりますので、検査する時期が大切です。エイズは感染後数年から数十年無症状の時期があり、その後免疫力がゆっくりと低下していき、いろいろな重症感染症にかかりやすくなります。梅毒は感染後3週間ぐらいで局所に痛くないが硬いしこりができ、ただれてきます。鼠径部(足の付け根)のリンパ節が腫れるのも特徴です。またその後3ヶ月位して手のひらや身体のどこかにバラ疹と呼ばれる皮膚の赤みや丘疹が出てきます。その後脳にまで感染が広がると、脳神経症状も出てきます。このように梅毒もエイズも性感染症ではありますが、その後の経過はこわい全身病で、しかも血液検査で診断する点など共通点は多いといえます。
その他トリコモナスという原虫に感染すると、汁っぽい泡のような特徴のある黄白色帯下が増えるのが特徴的です。これは膣に挿入する薬を使用して治しますが、難治性や再発を繰り返す場合は内服薬を使います。
ここに紹介した性感染症に共通して言えることは、ひとつの病気にかかると、ほかの感染症にも数倍かかりやすくなるので、早くちゃんと直すこと、それと、これらの病気は必ずパートナーと一緒に治さなければ、また感染を繰り返すことになりますよ。
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